海洋散骨を通じ、終活や墓じまいをサポートしている湘南海洋葬です。このブログでは、海洋散骨にまつわる知識や最新情報のほか、お客様から寄せられた疑問や質問、実際に行った方の声などをご紹介します。逗子市にある仏具店「佛縁堂あみりと」(逗子郵便局向かい)に相談窓口を設け、専任スタッフが疑問や不安にお応えしていますのでお気軽にご相談ください。今回はお墓の歴史を紐解き、近年広がる海洋散骨について考えてみます。
相談窓口で日々、様々なお話を伺っていると「海洋散骨はお墓と切っても切れない関係」だとつくづく感じます。ほとんどの方が、従来のお墓に入りたくなかったり、子どもや孫世代への負担を考えて維持管理をやめるための方法として、海洋散骨を検討されています。
近年、お墓を中心とした従来のご供養の形が急速に変化しています。その要因は日本人の宗教観の変化から家族のあり方や都市化、経済的理由など、様々な観点から論じることができるでしょう。ここでは一旦、お墓の歴史を紐解いてみたいと思います。
現在のように、お墓を持つことが一般に広まるようになったのは江戸時代、寺請制度がきっかけとされます。それまでは宗教的・政治的・経済的な権力を持った人にのみ許されていた「お墓を建てる」という行為が、菩提寺と檀家という強固な関係性で変容し、成功を収めた商人たちを筆頭に市井の人々も競うように建てはじめました。
江戸時代は「お寺の時代」でもあります。市役所のような役割を持ち、地域社会における経済・文化の中心地でもあった当時の寺院は、現在まで連綿と続く「イエ」制度の確立に大きく寄与し、お墓もその一部を担ったのでした。
葬儀の簡素化や無縁墓の増加、永代供養墓や海洋散骨の普及ーー。歴史の流れを踏まえて現代の日本で起きていることを俯瞰すると、江戸時代に完成し受け継がれてきた伝統がついに限界を迎えていることが伺えます。そうしたなか、特にコロナ禍をきっかけに「三密を避けたお見送り」として海洋散骨の認知度が上がりました。また、イベントや会食ニーズの減少に苦しんでいたクルーズ船運行会社などが海洋散骨事業に乗り出したことも普及に与しました。
海洋散骨という手段が認知されると「お墓を持たなくて済む」という考えに当然、たどり着きます。今ではテレビや雑誌などで頻繁に「墓じまい」のニュースが取り上げられるようになりました。誰もがお墓を持つ時代は終わり、自分や家族が亡くなった時は様々な選択肢から選び取る時代に移り変わったと言えます。
伝統には良い面と悪い面があり、自由には決断と責任が伴います。まずは、情報収集をして判断材料を確保することが大事だと考えています。私ども湘南海洋葬は、ご相談者様のよき伴走者として、最適な最期を見つけるサポートをいたします。
参考文献:『絶滅する「墓」: 日本の知られざる弔い』(鵜飼秀徳著、NHK出版)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。このブログを読んだ方は、散骨や墓じまい、終活などに興味関心がありインターネットで検索されたものと思います。ただ、終活やお墓のお悩みは百人百様です。「こうすれば良い」という一律の答えはなく、インターネットを検索したり、本を読んだりしてみたものの選択肢が広がって逆に迷ってしまい、なかなか具体的な行動に移せない方が多いのではないでしょうか。
湘南海洋葬は、逗子葉山地域を中心に湘南エリアで海洋散骨を行なっているほか、様々なタイプの樹木葬や永代供養墓をご紹介しています。電話のほか相談窓口でのご相談も随時受け付け、終活カウンセラー資格を持った専任スタッフが疑問や不安にお応えしています。地域の石材店さんや墓じまいが専門の行政書士の先生と連携しているため、「墓じまいをしたいが、お寺とトラブルになった」といった場合もサポートいたします。 ご供養は亡くなった方はもちろん、今を生きる私たちのためのものでもあります。現代の暮らしにあった形で、一人でも多くの方が納得いくご供養の形を見つけられるよう、お手伝いできればと考えています。